国際EAPプロフェッショナル/コンサルタントとは、Certified Employee Assistance Professionalの略で、EAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)の専門家です。
EAPがプログラムと専門家の略称のなかに2つあり、混乱しそうですが、一般には、EAPは、従業員支援プログラムの略称となっています。
いろんな組織(行政、企業、非営利企業などあらゆる組織)には従業員がいます。従業員の心身の健康やストレス、メンタルヘルス、アルコール依存、ハラスメントなどの職場上や生活面での支援を専門的に行うプログラムです。
プログラムの内容は、職場での幅広い課題に対する研修、管理職へのコンサルテーション、本人へのカウンセリング・コーチング、専門機関への紹介、危機管理など個人および組織への幅広い内容になっています。大学院レベルの知見で、科学的根拠(エビデンス)に基づいたプログラム内容となっています。
プログラムの費用は組織側が負担し、プログラムを受ける従業員、管理職などは無料で、相談者の情報については、厳しい守秘義務が課され、安心して、相談が受けられるシステムになっています。プログラムの提供者は、組織の内部や外部専門企業/専門家などです。
EAP(従業員支援プログラム)自体の起源は、1940年前後のアメリカの会社にあります。職場のアルコール問題が「個人の弱点」ではなく、職場全体の生産性や安全性に直接影響を与える社会的・組織的な課題として認識されるようになりました。これを受け、米国の大手企業や製造業を中心とした会社は、従業員の飲酒問題に対して内部に相談窓口を設置し、従業員への秘密保持をはかり、問題の早期発見(一次予防)のために個別相談に応じ、非公式なサポートをはじめました。
現在は、EAPを正式な福利厚生プログラムとして取り入れ、生産性向上、離職率や欠勤率低下につながる成果を実現しています。ヨーロッパやアジアなどでは、現地のニーズに適応したサービスが提供されています。また、サービスの革新が進み、AIやオンラインツールを利用したサービス提供がすでにはじまっています。
CEAP資格を持つ専門家は、そのプログラムの運営や助言を国際的な基準に則って実施する能力があると認定されています。
CEAPの認定は、EAPA(Employee Assistance Professionals Association:国際EAP協会)によってなされています。アメリカのバージニア州に本拠地を置き、世界で最も歴史と伝統のあるEAP(従業員支援プログラム)の専門家協会です。EAPAの研修プログラムの中には、米国運輸省認定のSAP(Substance Abuse Professional: 薬物乱用専門家)研修/試験の指定機関にもなっています。