★改正入管法の概略(2023年6月)

入管法改正案の概要(2023年6月)

※以下の文章は、出入国在留管理庁のホームページより。

 今回の改正(案)では、3つの基本的な考え方(3参照)を実行に移すために、次のような様々な方策を講じることにしています。

(1)保護すべき者を確実に保護

➀ 補完的保護対象者の認定制度を設けます。

    •  紛争避難民など、難民条約上の難民ではないものの、難民に準じて保護すべき外国人を「補完的保護対象者」として認定し、保護する手続を設けます
    •  補完的保護対象者と認定された者は、難民と同様に安定した在留資格(定住者)で在留できるようにします

➁ 在留特別許可の手続を一層適切なものにします。

    •  在留特別許可の申請手続を創設します。
    •  在留特別許可の判断に当たって考慮する事情を法律上明確化します。
    •  在留特別許可がされなかった場合は、その理由を通知します。

➂ 難民認定制度の運用を一層適切なものにします。

法改正事項ではありませんが、次のような取組を通じて、難民認定制度の運用を一層適切なものにします。

    •  難民の定義をより分かりやすくする取組
      難民条約上の難民の定義には、「迫害」等、そのままでは必ずしも具体的意義が明らかではない文言も含まれています。そこで、これまでの日本における実務上の先例や裁判例を踏まえ、UNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)発行の文書や諸外国の公表する文書なども参考にしながら、こうした文言の意義について、より具体的に説明するとともに、判断に当たって考慮すべきポイントを整理する取組みを進めていきます
    •  難民の出身国情報を一層充実する取組
      難民に当たるかどうかを判断する上で必要となる申請者の出身国情報(本国情勢等)を充実させるため、UNHCR等の関係機関と連携して、一層積極的に収集していきます
    •  職員の調査能力向上のための取組
      難民に当たるかどうかの調査を行う当庁職員(難民調査官)に対して、出身国情報の活用方法や調査の方法等に関する研修を行うことなどにより、一層調査能力を高めていきます

(2)送還忌避問題の解決

➀ 難民認定手続中の送還停止効に例外を設けます。

    •  難民認定手続中は一律に送還が停止される現行入管法の規定(送還停止効)を改め、次の者については、難民認定手続中であっても退去させることを可能にします
      3回目以降の難民認定申請者
      3年以上の実刑に処された者
      テロリスト等
    •  ただし、3回目以降の難民認定申請者でも、難民や補完的保護対象者と認定すべき「相当の理由がある資料」を提出すれば、いわば例外の例外として、送還は停止することとします

➁ 強制的に退去させる手段がない外国人に退去を命令する制度を設けます。

    •  退去を拒む外国人のうち、次の者については、強制的に退去させる手段がなく、現行法下では退去させることができないので、これらの者に限って、一定の要件の下で、定めた期限内に日本から退去することを命令する制度を設けます
      退去を拒む自国民を受け取らない国を送還先とする者
      ■ 過去に実際に航空機内で送還妨害行為に及んだ者
    •  罰則を設け、命令に従わなかった場合には、刑事罰を科されうるとすることで、退去を拒む上記の者に、自ら帰国するように促します
    •  そもそも命令の対象を必要最小限に限定しており、送還忌避者一般を処罰するものではありません

➂ 退去すべき外国人に自発的な帰国を促すための措置を講じます。

    •  退去すべき外国人のうち一定の要件に当てはまる者については、日本からの退去後、再び日本に入国できるようになるまでの期間(上陸拒否期間)を短縮します。
    •  これにより、より多くの退去すべき外国人に、自発的に帰国するよう促します

(3)収容を巡る諸問題の解決

➀ 収容に代わる「監理措置」制度を設けます。

    •  親族や知人など、本人の監督等を承諾している者を「監理人」として選び、その監理の下で、逃亡等を防止しつつ、収容しないで退去強制手続を進める「監理措置」制度を設けます
    •  「原則収容」である現行入管法の規定を改め、個別事案ごとに、逃亡等のおそれの程度に加え、本人が受ける不利益の程度も考慮した上で、収容の要否を見極めて収容か監理措置かを判断することとします。
    •  監理措置に付された本人や監理人には、必要な事項の届出や報告を求めますが、監理人の負担が重くなりすぎないように、監理人の義務については限定的にします
    •  収容の長期化を防止するため、収容されている者については、3か月ごとに必要的に収容の要否を見直し、収容の必要がない者は監理措置に移行する仕組みを導入します。
    •  現行の入管制度は、「全件収容主義」などと言われることがありますが、改正法では、上記のように、個別事案ごとに収容か監理措置かを選択することとなり、これにより、「全件収容主義」は抜本的に改められることとなります。

➁ 仮放免制度の在り方を見直します。

    •  監理措置制度の創設に伴い、仮放免制度については、本来の制度趣旨どおり、健康上又は人道上の理由等により収容を一時的に解除する措置とし、監理措置との使い分けを明確にします。
    •  特に健康上の理由による仮放免請求については、医師の意見を聴くなどして、健康状態に配慮すべきことを法律上明記します。

➂ 収容施設における適正な処遇の実施を確保するための措置を講じます。

    •  常勤医師を確保するため、その支障となっている国家公務員法の規定について特例を設け、兼業要件などを緩和します。
    •  その他、収容されている者に対し、3か月ごとに健康診断を実施することや、職員に人権研修を実施することなど、収容施設内における適正な処遇の実施の確保のために必要な規定を整備します。

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